Wednesday, September 21, 2005

自民圧勝の影で

 先の総選挙では自民党の争点を絞る戦略と民主党の失策によって、自民党は勝つべくして勝った(ここまでの勝ちは誰も予想していなかったと思われるが)。思うに、たいした政策も示さずにただ”政権交代させて下さい”だけでは議席は取れないであろうし政権交代もできない、郵政民営化への反対やマニフェストにある道路公団無料化や公務員の給与総額のたった2割の引き下げという愚策?が、なにも具体策を示さなかったが”民間に出来ることは民間で”のスローガンだけで民主党より自民党が改革政党であるという期待を抱かせたのは至極当然の事と考えられる(実際のところは怪しい)。しかしこの自民党の大勝によって逆に自民党も改革政党にならざるをえなくなった事はむしろ大きな収穫であったかと思う。
 当初、自民党のこの総選挙への突入の仕方が’93年8月の細川内閣誕生時の経緯に似ており、自民分裂選挙から自民党は政権の座から滑り落ちるよう考える人も多かったように思う(筆者もその一人であった)。しかし小泉総理はこの選挙の危機で本当の力を発揮し、国民に支持のある真のリーダたる所以を見せ付ける結果となった。その選挙が実は仕組まれたものではなかったのか?とまで疑われるのも無理からぬ勝ちっぷりであった。
 惨敗を受け野党第一党の民主党は、前原誠司なる新代表を打ち立ててきたが、これがまたうさんくさい?というのもこの新代表自身の持論の中心をなすものが安保防衛であり、憲法9条第2項の削除を持論としている(自民党より?)右よりだからだ。それにこのままいけば自民党と民主党の主張に違いがなくなってしまい、ますます政権交代の意義が失われる気がするのは筆者だけなのであろうか?折も折自民党も結党50年としてちょうど改憲の議論に入ったところで、この選挙で衆議院の2/3の議席を占める大勝利。これに加えて第2党までもが右よりとはなんと歴史とは皮肉なものであろうかと思う。この選挙における自民党への白紙委任が思わぬ方向へ転がらない事を祈るばかりである。

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