終着駅シリーズ293:戸畑(’12年04月30日撮影)
西日本鉄道戸畑線の終着駅の戸畑です。かつて北九州市内のほぼ全域に広がっていた西日本鉄道は戸畑線の終着駅です。戸畑線は1912年07月01日に九州電気軌道により全線開業しここが終着駅となります。そして時は流れ’85年10月20日には戸畑、枝光そして北九州線の一部(砂津ー門司)の廃止に伴い廃駅となります。戸畑線は専用軌道であったため、廃止後にはその軌道跡をバス専用道路(今の言葉でBRT)として活用が図られますが、現在では道路は一般開放され専用道路も廃止になっています。
駅は戸畑を名乗っていましたが、JRの戸畑駅とは離れた場所にあります。駅跡に造られたバスターミナルは誤乗防止のためか戸畑渡場を名乗っています。軌道時代にも放送では戸畑渡場と案内していた様な記憶が筆者にはありますが、なにぶんにも昔のことなので事実確認は今となっては難しいでしょう(方向幕も”戸(渡場)畑”となっていた様な気がするのですが)。
その渡場とは、北九州市営若戸渡船のことで、若戸大橋が開通する以前から若松区と戸畑区を結ぶ重要な市民の足として活躍しています。若戸大橋の開通時には渡船の廃止の計画もあった様ですが、現在では若戸大橋の歩道の方が廃止となってしまい、徒歩と自転車での移動では再び唯一無二の存在になっています(原付以上は渡船には乗れません)。
九州電気軌道の時代には、この地に系列の百貨店があったとの記述もwikiにはありますが、今では人通りの少ない港湾地区の風景が広がっています。ところで、この駅の所在地は北九州市戸畑区北鳥旗町で、鳥旗は”とばた”と読むのかと思いきや、普通に”とりはた”と読むようです。この鳥旗は奈良時代に書かれた「筑前風土記」、「日本書記」、「万葉集」の中で紹介されていて、戸畑の由来とされているだけにややこしいですね。ちなみに戸畑区には戸畑町はありません。
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